なぜ運動でうつが改善するのか ― 脳と体のメカニズム

こんにちは。就労継続支援B型事業所 明石ぜろぽじです😊

今回は”うつ病×運動”の3回目になります。
過去の記事はこちらから👇

「運動するとスッキリする」「気持ちが軽くなる」
誰もが一度はそんな経験をしたことがあるはずです。
でも、その「スッキリ」の正体は何でしょうか?

科学的には、運動が脳と体の間にある“癒しの回路”を動かしているからだとわかっています。
今回は、うつ病研究の最前線から、そのメカニズムを解説します。

脳内ホルモンが動き出す ― セロトニンとノルアドレナリン

うつ病では、脳内の神経伝達物質「セロトニン」や「ノルアドレナリン」が不足していることが多く報告されています。
これらは“幸せホルモン”とも呼ばれ、心の安定や意欲に関わる重要な物質です。

運動をすると、脳内でこれらの物質が一時的に増え、薬と同じようなメカニズムで気分を回復させることがわかっています。

さらに、運動を続けることで「トリプトファン」という物質の代謝が変わり、うつを引き起こす物質(キヌレニン)を“無害なかたち”に変えるルートが活性化します。
筋肉がこの反応を担っていることから、運動はまさに“筋肉で脳を治す”プロセスとも言えるのです。

BDNFが神経を再生させる ― “脳の肥料”のような存在

BDNF(脳由来神経栄養因子)は、脳の神経細胞を育てる“肥料”のようなタンパク質。
うつ病の人ではこのBDNFが少ないことが知られています。

運動を行うと、脳や筋肉からBDNFが分泌され、神経の成長・再生・可塑性(しなやかさ)を高めてくれます。

たった1回の運動でもBDNFは一時的に増え、「気分が前向きになる」「集中力が上がる」などの効果につながります。
特に中〜高強度の運動では、その上昇幅が大きいことが示されています。

炎症を鎮める ― 免疫系からのアプローチ

意外かもしれませんが、うつ病では体内の炎症反応が高まっていることがあります。
(血液検査で「CRP」や「IL-6」などの値が上がることも)

運動はこの炎症を和らげる強力な方法です。
筋肉が動くと「マイオカイン」という物質が分泌され、炎症を鎮め、免疫バランスを整える働きをします。

つまり、運動は抗うつ作用と同時に“抗炎症作用”をもつ自然の薬なのです。

心と体をつなぐ“統合的スイッチ”

Rossら(2023)のレビューでは、これらの変化(神経伝達・神経栄養・免疫調整)はそれぞれが独立しているのではなく、体と脳の両方向から影響し合う複雑なネットワークだと指摘されています。

運動は、まるでそのスイッチを一斉に押すようなもの。
体を動かすことで、脳が変わり、心が変わっていく。
これが「運動がうつを改善する」根本的な仕組みです。

次回予告

次回は、「どのくらいの期間で効果が出る?そして継続するためのコツ」
について。
モチベーションを保つ方法や、科学的に見た「やめない仕組みづくり」を紹介します。

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