「やりたいことが分からない」は自然な状態――研究から見る「人生の目標(purpose)が見つかるまでの過程」

こんにちは。就労継続支援B型事業所 明石ぜろぽじです😊

「自分のやりたいことが分からない」
「人生の目標が見つからない」

こうした悩みは、年齢や立場に関係なく、多くの人が一度は感じます。
実は心理学・発達科学の研究では、目標や生き方は“最初から明確にあるもの”ではなく、ある過程を通して徐々に見つかっていくものだと考えられています。

この記事では、研究で示されている
「人生の目標(purpose)が見つかっていく典型的なプロセス」を、できるだけ分かりやすく紹介します。


目次

そもそも「人生の目標(purpose)」とは?

心理学でいう purpose とは、

  • 将来に向かう 長期的な方向性
  • 自分にとって意味があり
  • できれば「自分以外の誰か・社会」ともつながっているもの

を指します。

「年収〇〇円」「資格を取る」といった短期的な目標というより、
“どう生きていきたいか”の軸に近い概念です。


研究が示す「目標が見つかるまでの4つの段階」

① 違和感・停滞感の段階

最初に起こりやすいのは、明確な目標ではなく“違和感”です。

  • 今の生活に大きな不満はないが、どこか物足りない
  • 頑張っているのに、意味を感じにくい
  • 成果は出ているのに、心が動かない

研究では、この状態は「目標がない」のではなく、
「今の方向性が自分に合っていない可能性に気づき始めた段階」と捉えられています。

実はこの違和感こそが、目的探索のスタート地点です。


② 探索・内省の段階

次に起こるのが、「答えを探そうとする時期」です。

  • 自分は何が好きだったのか
  • どんな時にやりがいを感じていたか
  • 人から感謝された経験は何だったか

この段階では、
すぐに答えが出なくても問題ありません。

研究でも、目的意識は
「考え続けること」「言語化しようとすること」
そのものが形成を促すとされています。


③ 断片的な意味がつながる段階

ある時期から、バラバラだった経験が少しずつ線でつながり始めます

  • 昔好きだったこと
  • 無意識に続けてきた行動
  • なぜか惹かれるテーマ

これらが
「自分はこういうことに価値を感じる人間なのかもしれない」
という仮説として浮かび上がってきます。

重要なのは、
この時点では まだ“確信”でなくていい という点です。

研究では、purposeは
最初は仮説として生まれ、行動を通じて検証される
とされています。


④ 暫定的な目的が定まり、行動が変わる段階

最後に起こるのが、

  • 行動の選び方が少し変わる
  • 時間やエネルギーの使い方に一貫性が出る
  • 「これをやっている時はしんどくても納得できる」と感じる

という変化です。

ここで重要なのは、
目的は「完成」ではなく「更新され続けるもの」だという点です。

研究でも、purposeは
人生経験によって深まり、修正され、再定義されていくと示されています。


「目標が見つからない人」がやりがちな誤解

最初から明確な答えがあると思っている

→ 実際は 違和感 → 探索 → 仮説 → 行動 の積み重ね

一度決めたら変えてはいけないと思っている

→ 研究では purposeは発達するもの とされている

考えが足りないから見つからないと思っている

→ 多くの場合、考えすぎではなく“行動による検証”が足りない


今日からできる小さなヒント

研究を踏まえると、次のような問いが有効だとされています。

  • 「これまでで、少しでも意味を感じた瞬間はいつだったか?」
  • 「成果が出なくても、なぜか続けてしまったことは何か?」
  • 「人から頼られた・感謝された経験はどんな場面か?」

完璧な答えを出す必要はありません。
書き出し、試し、振り返ること自体が、目標形成のプロセスです。


まとめ

  • 人生の目標(purpose)は、突然見つかるものではない
  • 違和感から始まり、探索と内省を経て、仮説として形になる
  • 行動を通して少しずつ確かめられ、更新され続けていく

「まだ見つかっていない」という状態は、
何もないのではなく、形成の途中にいるというサインかもしれません。

参考文献

  • Damon, W., Menon, J., & Bronk, K. C. (2003). The development of purpose during adolescence. Applied Developmental Science, 7(3), 119–128.
  • Bronk, K. C. (2012). A grounded theory of the development of noble purpose. Journal of Adolescent Research, 27(1), 78–109.
  • Sheldon, K. M., & Elliot, A. J. (1999). Goal striving, need satisfaction, and longitudinal well-being: The self-concordance model. Journal of Personality and Social Psychology, 76(3), 482–497.
  • Heckhausen, H., & Gollwitzer, P. M. (1987). Thought contents and cognitive functioning in motivational versus volitional states of mind. Motivation and Emotion, 11(2), 101–120.
  • Schippers, M. C., & Ziegler, N. (2019). Life crafting as a way to find purpose and meaning in life. Frontiers in Psychology, 10, 2778.
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