栄養が心を支える?食事とメンタルヘルスの関係を解説

こんにちは。就労継続支援B型事業所 明石ぜろぽじです。

「最近なんだか気分が落ち込む」「眠れない」「イライラすることが増えた」
そんなとき、あなたは何を見直しますか?
実は“食事”も、メンタルヘルスを整える大切な手段として注目されています。

なぜ今、“栄養と心”の関係が注目されているのか?

うつ病や不安障害の患者数は年々増加しています。
世界人口の約13%、ヨーロッパでは38%が何らかの精神的問題を抱えていると言われています。

ところが、薬や心理療法だけでは改善が難しいケースもあり、他のアプローチが必要とされているのです。
近年の研究では、食事が脳や神経、ホルモン、腸内環境に影響し、心の健康を左右する可能性が示されています。

食べ物が精神に影響する理由とは?

栄養不足が脳に与える影響

  • 加工食品や高脂肪・高糖質な「西洋型の食事」は、うつや不安のリスクを高める
  • 現代人はビタミンB群、亜鉛、マグネシウム、食物繊維などが不足しがち
  • 神経伝達物質や脳内の「BDNF(脳由来神経栄養因子)」の働きが低下する

心を守る栄養素とは?

研究で特に注目されているのは以下の栄養素です👇

栄養素働き効果的な食材・メニュー例
オメガ3脂肪酸(EPA・DHA)抗炎症、神経の再生、うつ症状の軽減サバ・イワシ・鮭などの青魚、亜麻仁油、くるみ
ビタミンDドーパミン系の調整、気分安定、抗うつ作用鮭、マグロ、卵黄、きのこ(特に日光に当てたもの)
葉酸・ビタミンB12神経系の安定、抗うつ薬の効果を高めるレバー、ほうれん草、ブロッコリー、納豆、卵、あさり
亜鉛・マグネシウムストレス対処力や気分の安定に不可欠カキ、ナッツ類、玄米、豆腐、アボカド、カカオ70%以上のチョコ
N-アセチルシステイン(NAC)抗酸化・抗炎症作用、統合失調症や双極性障害にも効果タマネギ、にんにく、ブロッコリー、鶏むね肉、卵

腸は“第二の脳”?腸内環境とメンタルの深い関係

腸と脳は「腸–脳軸(gut-brain axis)」でつながっており、
腸内細菌はセロトニン・GABA・ドーパミンなどの神経伝達物質を作っています。

研究結果の一例

  • ラクトバチルス属やビフィズス菌を含むプロバイオティクスは、不安・うつの軽減に効果が見られた
  • 抗うつ薬とプロバイオティクスの併用で、認知機能や気分の改善が報告されている

どんな食事が心にいいのか?

注目の食事スタイル

  • 地中海式食事法(Mediterranean Diet)
     野菜・魚・オリーブオイル・ナッツを中心とした食事。うつ病リスクが低下。
  • MIND食(地中海+DASH食)
     特に認知症予防や認知機能の維持に効果的。ベリー類や葉物野菜が豊富。

    MIND食の例👇
食品群内容
葉物野菜1日1回以上ほうれん草、小松菜、ケールのサラダ
その他の野菜1日1回以上トマト、ピーマン、ブロッコリーの炒め物
ナッツ類週5回以上アーモンド、くるみ
ベリー類週2回以上ブルーベリー、ラズベリー
豆類週3回以上レンズ豆のスープ、大豆煮
全粒穀物1日3食オートミール、玄米ごはん
週1回以上鮭の塩焼き、サバの味噌煮
鶏肉週2回以上鶏むね肉のグリル、鶏ささみのサラダ
オリーブオイル主な油脂源ドレッシング、炒め物に使用
ワイン(※)1日1杯(任意)赤ワイン(日本では必須ではない)

控えるべき5グループの食事👇

食品群内容
赤身肉週4回以内(加工肉含む)
バター・マーガリン1日1大さじ未満
チーズ週1回未満
お菓子(甘いもの)週5回未満
揚げ物・ファストフード週1回未満

まとめ “心の健康” は毎日の食事から

心の不調が続くとき、「何を食べているか?」を振り返ってみるのも一つの方法です。

  • 加工食品を控える
  • 野菜・果物・魚・発酵食品を積極的に摂る
  • 食事と一緒に運動・睡眠・人とのつながりも意識する

食べることは、身体だけでなく“心”を育てる行為です。
「心がしんどい」と感じたら、まずは一日一食でも“丁寧な食事”を始めてみませんか?

参考論文

Nutrition and mental health: A review of current knowledge about the impact of diet on mental health
(Frontiers in Nutrition, 2022, DOI: 10.3389/fnut.2022.943998)

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