日本の介護保険はこの先どうなる?― いま起きていることと、これからの現実

こんにちは。就労継続支援B型事業所 明石ぜろぽじです😊

「介護保険って、結局なにが問題なの?」
最近こうした声をよく聞きます。結論から言うと、介護保険は制度として破綻しているわけではありません。ただし、今後も同じ形で続けるには、現場も財政も“無理が出てきている”段階に入っています。

本記事では、厚労省資料と研究をもとに、介護保険の現状と今後の方向性をわかりやすく整理します。


目次

1. 介護保険は「家族だけに頼らない」ための仕組み

介護保険(LTCI)は、介護が必要になったときに、訪問介護・デイサービス・施設などのサービスを使える制度です。
日本が2000年に導入して以降、「介護を家族だけの責任にしない」方向へ社会を動かしてきました。


2. いま介護保険で起きている“3つの現実”

現実①:介護が必要な人は増え続ける

高齢化に伴い、介護サービスの利用者は増えていきます。制度側もこの前提で議論が進んでいます。

現実②:支える人(介護職)が足りない

多くの資料・研究で共通して出てくるのが「人材不足」です。
需要が増えても、人がいなければサービスが提供できません。財政だけではなく、“供給能力”そのものがボトルネックになります。

現実③:制度は“地域運営”の比重が上がっている

介護保険は国の制度ですが、実際の運用は市町村(保険者)の役割が大きいです。
どんなサービスをどの地域に整備し、質をどう評価するか。ここが今後さらに重要になります。


3. これからの介護保険は「医療・介護だけで完結しない」

今後の方向性として、キーワードは大きく2つです。

方向性①:「重くしない」=予防・自立支援の比重が上がる

介護費用は将来さらに増える見通しが示されています。だからこそ、

  • 介護が必要になる時期を遅らせる
  • 要介護になっても重度化を遅らせる
    という発想が中心になっていきます。

これは「気合いで運動しましょう」という話ではなく、制度を維持するために生活機能を守る取り組みが“主戦場”になるという意味です。

方向性②:「データで実態を見て、改善する」流れが強まる

近年は介護のレセプトや認定情報など、データ基盤が整い、研究も増えています。
今後は「なんとなくの改革」ではなく、データから課題を把握して手を打つ方向が強まります。


4. 私たちの生活にどう影響する?

ここが一番重要です。

  • 人手不足が進むと、地域によっては「使いたいサービスが使いづらい」状況が増える可能性がある
  • 財政の圧力が強まると、自己負担や給付のあり方が議論になりやすい
  • だからこそ、地域の中で「医療でも介護でもない支援(運動・栄養・社会参加)」の価値が上がる

制度は続けるために形を変えます。そのとき、暮らしの中で自立を支える仕組みを持つ地域ほど、影響を小さくできます。


まとめ:介護保険の未来は「現場の人手」と「重度化を防ぐ仕組み」にかかっている

介護保険の議論は「お金の話」に見えがちですが、実際は

  • 介護職の確保
  • 地域運営(保険者機能)
  • 予防・自立支援で重度化を遅らせる
    この3点が中核です。

参考文献(政策資料・一次資料)

厚生労働省.「介護保険制度をめぐる状況について」(社会保障審議会 介護保険部会 資料,2024年12月).
厚生労働省.社会保障審議会(介護保険部会) 議事録・資料一覧(制度改正論点の継続的整理に有用).
厚生労働省.介護保険最新情報 Vol.1453(2025年12月25日).
Iwagami M, Tamiya N. The Long-Term Care Insurance System in Japan: Past, Present, and Future. JMA Journal. 2019.
Fu R, Iizuka T, Noguchi H. Long-term Care in Japan. NBER Working Paper No. 31829. 2023.
Watanabe T, et al. Utilization of Japanese long-term care-related data, including Kaigo-DB, after 2020: a review. 2024.

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