止められない食欲の正体 ― 過食症と過食性障害の見分け方と向き合い方

こんにちは。就労継続支援B型事業所 明石ぜろぽじです😊

あなたは「過食」の症状で悩んだりしたことはありませんか?
「過食」には大きく分けて2種類あります。

  • 過食症(神経性過食症:BN) は、過食したあとに嘔吐や下剤の使用といった「代償行為」を伴うのが特徴です。
  • 過食性障害(BED) は、代償行為を伴わず、過食が繰り返される状態を指します。

どちらも「自分でコントロールできない食行動」が中心にあり、生活の質や健康に大きな影響を与える深刻な摂食障害です。

どのくらい食べると過食になるの?

医学的には「過食」とは、通常の人なら食べきれないほどの量を、短時間(2時間以内)に食べてしまうことを指します。
例としては:

  • 一度にラーメン3杯とデザートを食べきる
  • スーパーの惣菜を複数買って一気に食べてしまう

など、「明らかに普通ではない量」と考えてOKです。

さらに重要なのは「コントロールできない感覚」を伴うこと。
「食べ始めたら止まらない」「お腹いっぱいでもやめられない」といった体験が典型的です。

どのくらいの頻度で起こると診断される?

診断基準(DSM-5)では:

  • 過食性障害(BED) → 週1回以上の過食が3か月以上続く
  • 神経性過食症(BN) → 週1回以上の過食と代償行為が3か月以上続く

つまり「たまにする食べすぎ」ではなく、慢性的に繰り返される状態が病気として扱われます。

発症の原因は?

過食症や過食性障害の原因は1つではなく、複数の要因が重なって発症すると考えられています。

心理・社会的要因

  • ダイエットや体型への強いこだわり
  • 「痩せなければいけない」という社会的プレッシャー
  • ストレスや孤独、不安を食べることで解消しようとする

生物学的要因

  • 脳の報酬系(快感を感じる回路)や衝動抑制の仕組みに異常がある
  • セロトニン・ドパミンなどの神経伝達物質のバランスの乱れ
  • 遺伝的な要因(家族に摂食障害や精神疾患がある場合、発症リスクが高まる)

身体的要因

  • ホルモンの働き(グレリン=食欲増進、レプチン=満腹ホルモン)の不均衡
  • 腸内環境(腸内細菌)が影響している可能性も報告あり

このように、「心・脳・身体・社会環境」が絡み合うことで発症します。

過食性障害の治療には何が効くの?

研究の結果、第一選択の治療は心理療法、とくに認知行動療法(CBT) です。

  • 「食べすぎてしまうトリガー」や「考え方のクセ」を整理し、コントロール力を取り戻します。
  • 対人関係療法(IPT)、弁証法的行動療法(DBT)も効果があり、オンラインやセルフヘルプ型のCBTも有効性が示されています。

薬物療法は?

  • リスデキサムフェタミン(LDX) が唯一FDA承認薬(中等度〜重度のBED)。
  • 抗てんかん薬や抗うつ薬は短期的に有効例もありますが、副作用や長期効果には課題があります。
  • 薬はあくまで「補助的手段」として使われます。

新しいアプローチも登場している

  • オンラインCBTやアプリ
  • 体重管理と組み合わせた統合プログラム(HAPIFED)
  • 新薬候補(ナルトレキソン+ブプロピオンなど)
  • 順次介入モデル(SMARTデザイン)

研究は進んでおり、治療の選択肢は広がっています。

まとめ

過食症や過食性障害は「単なる食べすぎ」ではなく、量・頻度・コントロール不能感を伴う深刻な病気です。
発症には心理・社会・脳・身体の要因が複雑に関わり、治療はCBTを中心に薬や新しい方法も加わりつつあります。

もしあなたや身近な人が「過食」に悩んでいるなら、「たまの食べすぎ」とは違うかもしれないと気づくことが第一歩。
そして、早めに専門家へ相談してみることをおすすめします。

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