なぜ運動がうつに効くのか?脳と心のメカニズムを解説

こんにちは。就労継続支援B型事業所 明石ぜろぽじです。


薬を飲んでも気分が晴れない。
カウンセリングを受ける気力すら湧かない。

そんなとき、「運動をしてみましょう」と言われても、正直ピンと来ないかもしれません。
けれど実は、運動によって脳の働きが変わり、うつ症状の改善につながることが、数多くの研究で明らかになっています。

運動は、薬やカウンセリングと同じくらい効く「本物の治療法」

イギリスの大規模研究によると、ウォーキング・ヨガ・筋トレといった運動は、薬や認知行動療法(CBT)とほぼ同じ効果を示すことがわかっています(BMJ, 2024)。

特に以下の運動が効果的👇

種目効果の大きさ特徴
ダンス★★★★★楽しく続けやすいが研究数少ない
ウォーキング・ジョギング★★★★☆誰でも取り組みやすい
ヨガ★★★★☆リラックス+集中力。高齢層や男性向き
筋トレ★★★★☆若年層・女性に特にオススメ
太極拳・気功★★★☆☆ゆったり運動で高齢者に◎

さらに強度が高め(少しキツイ)のほうが、改善度合いも高い傾向があります。

なぜ効くのか?──脳の中で何が起きているのか

うつ状態の脳では、セロトニンやドーパミンが不足しやすく、脳の可塑性(柔軟な変化)も低下します。

運動をすると、

  • BDNF(脳由来神経栄養因子)が増える
  • セロトニンやノルアドレナリンが活性化する
  • 「自分にはできた」という自己効力感が生まれる

つまり、体を動かすことが「脳の再起動スイッチ」になるのです。

実際どう始めればいいの?

コツは「習慣化」でも「努力」でもありません。

できるだけハードルを下げる:

  • 「散歩用の靴を履くだけ」でもOK
  • 「トイレ掃除ついでに足踏み」でもOK
  • 「寝たまま足をバタバタさせる」でもOK

最初は“運動っぽい動き”じゃなくてもいいんです。
「何かをする自分」を取り戻す感覚こそが、最初の一歩です。

まとめ

運動は、がんばるためのものではなく、「生きる感覚を取り戻すためのツール」です。

心が落ちているときは、動けなくて当たり前。
それでも、ほんの5分の体の動きが、心に静かな火を灯してくれることがあります。

あなたが選ぶ「今日の一歩」が、未来の自分を助けるかもしれません。

参照論文

Noetel et al. (2024).
Effect of exercise for depression: systematic review and network meta-analysis of randomised controlled trials
BMJ 2024;384:e075847
https://doi.org/10.1136/bmj-2023-075847

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