こんにちは。就労継続支援B型事業所 明石ぜろぽじです。
今回は少し難しい内容ですが、とても大切な神経【迷走神経】に関する内容です。
■ 迷走神経とは?
迷走神経は、脳から胃腸・心臓などの内臓へと広がる重要な神経です。
副交感神経として働き、「心拍を抑える」「消化を助ける」「感情を落ち着ける」など、体の回復や安定に関わっています。特に、体内の情報を脳に伝える“感覚神経の高速道路”のような存在でもあります。
■ 自律神経と迷走神経のつながり
自律神経は、意識しなくても体を調整してくれる神経システムです。
- 交感神経:活動・緊張モード
- 副交感神経(=迷走神経が中心):休息・回復モード
迷走神経は、まさにこの「休む力」「ブレーキ機能」の司令塔。心拍や呼吸を整え、安心感を生み出す役割を果たします。
■ メンタル不調と迷走神経の関係
うつ症状や不安障害のある人の多くに、迷走神経の働きが弱まっている兆候が見られます。
その代表的な指標が「HRV(心拍変動)」で、これは迷走神経の状態を反映すると言われています。
迷走神経がうまく働かないと…
- 感情が不安定になりやすい
- ストレスへの回復力が落ちる
- 心と体のリズムが乱れやすくなる
つまり、感情の不調には“神経の不調”が関わっている可能性があるのです。
■ アプローチ方法(回復に向けた手立て)
生活の中でできること
- ゆっくりとした呼吸(息を長く吐く)
- 香りや食感に意識を向ける
- マインドフルネスや瞑想で、内側に集中する時間を持つ
- 耳たぶ・耳介内側をマッサージする(指や綿棒で軽く押す・さする)
- 耳の周辺やこめかみ、うなじに温かいタオルや冷たいタオルを5~10分当てる
■ 体と心を“別々にしない”視点を
メンタルヘルスは、心の問題だけではありません。
「迷走神経」の状態を見直すことで、心の状態も大きく変わっていきます。
体を整えることは、心を整えること。
これからの時代は、そんな“心身一体”のケアがますます大切になります。
■参考文献
Depression as a cardiovascular disorder: central‑autonomic network, brain‑heart axis, and vagal perspectives of low mood
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