こんにちは。就労継続支援B型事業所 明石ぜろぽじです。
皆さんは日ごろから誰かに思いやりを持った行動をすることが出来ていますか?
そもそも思いやりとは何なのか。思いやる気持ちを持てないのなら、それはなぜなのかを再考していけたら良いなという記事です👇
目次
そもそも思いやり(Compassion)の定義とは?
心理学・社会科学領域では、思いやりは以下のように定義されます。
他者の苦しみや困難を認識し、それを和らげたり取り除いたりしたいという動機を伴う感情状態
要素としては主に4つあります:
- 認知:他者が苦しんでいることに気づく(状況を正しく認識する)
- 感情:その苦しみに共感し、情緒的に反応する
- 動機:苦しみを軽減したいという意図を持つ
- 行動:実際に助けたり支えたりする行動をとる
思いやりの感情が生まれにくい人の特徴
研究や心理臨床の知見から、以下のような特徴が挙げられます。
- 強い個人主義・競争志向
- 他者よりも自分の利益や成功を優先する傾向が強い
- 社会的比較や勝敗意識が高まり、他者の苦しみに注意を向けにくい
- 情動認識の低さ(アレキシサイミア傾向)
- 自分や他人の感情を感じ取り、ラベル付けすることが苦手
- 感情表現が乏しいため、共感や思いやりが育ちにくい
- 慢性的なストレスや不安状態
- 心の余裕がないと、他者への注意やケアが後回しになる
- “自分を守るモード”に入りやすく、他者への共感が抑制される
- 過去の対人関係での否定的経験
- 無視・批判・拒絶など、他者からの思いやりを十分に受けてこなかった場合
- 他人に関わることへの信頼感が薄れ、距離を置く傾向が強くなる
- 自己批判が強すぎる
- 自分への厳しさが他者にも向き、思いやりよりも評価やジャッジが先行する
- “失敗=価値がない”という認知が他者評価にも波及する
思いやりの科学的背景
- 脳科学の視点
- 思いやりを感じるとき、前帯状皮質や島皮質が活性化
- オキシトシン・セロトニンが安心感を強化
- 進化心理学の視点
- 集団生活の中での協力・子育て行動がルーツ
思いやりと似た感情との違い
- 共感(Empathy):相手の感情を感じ取ること
- 同情(Sympathy):相手を下に見る危険性がある
- 思いやりは「共感+助けたいという動機」という点で異なる
思いやりがもたらす効果
- 心身の健康:コルチゾール低下、血圧安定、幸福感アップ
- 人間関係:信頼・協力関係が強化される
- 自己成長:回復力(レジリエンス)や自己効力感の向上
思いやりを阻害する社会的要因
- 情報過多と忙しさによる認知的余裕の不足
- SNSでの比較文化
- 成果主義による人間関係の希薄化
思いやりを育む環境づくり
- 家庭・職場で心理的安全性を確保
- 小さな助け合いを日常に取り入れる
- 感情表現を肯定する場を作る
今日からできる「思いやり習慣」
1. 1日3回「ありがとう」を伝える
- ポイント
- ただ礼儀として言うのではなく、「何に対して感謝しているか」を具体的に伝える
- 脳は感謝の言葉を発するだけで、相手にも自分にも安心感を与える
- 具体例
- 「資料をまとめてくれてありがとう。おかげで助かったよ」
- 「今日はゆっくり話を聞いてくれてありがとう。気持ちが軽くなった」
- 効果
- 相手の存在価値を認めるメッセージになり、信頼感が高まる
- 自分も“感謝を感じる視点”に脳が切り替わり、思いやりが育つ
2. 会話で相手の感情をミラーリングする
- ポイント
- 相手の感情や言葉を「オウム返し」するのではなく、感情を要約して返す
- 感情を正しく読み取ることで、「わかってくれている」という安心感を与える
- 具体例
- 相手:「仕事が忙しくて、もう余裕ないよ」
あなた:「かなり疲れているんだね」 - 相手:「昨日の試合、負けちゃった」
あなた:「悔しい気持ちが大きいんだね」
- 相手:「仕事が忙しくて、もう余裕ないよ」
- 効果
- 相手の感情に焦点を当てることで共感が深まり、信頼関係が強くなる
- 話し手が感情を整理しやすくなる
3. 小さな親切を“ご褒美”とセットにする
- ポイント
- 「親切=良いこと」だけでなく、「親切=自分にとっても嬉しいこと」という条件づけを脳に作る
- ご褒美は物やお金ではなく、自分が喜ぶ時間や感覚でもOK
- 具体例
- 職場で同僚を手助けしたら、帰り道に好きなカフェに寄る
- 家族のために家事を手伝ったら、夜に自分の趣味の時間を作る
- 効果
- 親切を「負担」ではなく「喜び」に変える
- 行動が継続しやすくなる(習慣化の心理効果)
まとめ
思いやりは才能ではなく、練習で磨けるスキルです。
脳は経験を通じて変化します。小さな思いやりを日常に積み重ねることで、あなたの周りの人間関係や空気感は確実に変わっていきます。
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