こんにちは。就労継続支援B型事業所 明石ぜろぽじです😊
暑さも本番に差し掛かる中、なんとなく「疲れているな」と感じることが増えてきていませんか?
今回は「疲れ」の正体と改善法までお伝えしていきます👇
いつまでも続く疲れの正体
「しっかり寝たはずなのに、朝からだるい」
「ちょっと動いただけで数日ぐったりする」
「人と会うだけで異常に疲れる」
こうした状態が何週間も続いていたら、それは慢性疲労かもしれません。
単なる疲れとは違い、体の内側で“回復できない状態”が起きている可能性があります。
慢性疲労って、どんな状態?
近年の研究では、慢性疲労には次のような問題が関係していることがわかってきました。
① 体のエネルギー工場がうまく働いていない
私たちの体は、ミトコンドリアという細胞内の小さな器官でエネルギー(ATP)を作っています。
しかし、慢性疲労の人はこれが低下していて、少しの活動でも“電池切れ”状態になります。
② 自律神経がうまく切り替わらない
常に緊張モード(交感神経優位)になっていて、リラックスしたくてもできない。
→ 心拍、呼吸、血流、内臓の働きが乱れてしまいます。
③ 血の巡りが悪く、酸素が届きにくい
脳や筋肉に酸素が届きにくくなり、思考力や筋力が落ちやすくなります。
④ 体の中で“炎症”がくすぶっている
風邪のように熱が出るわけではないけど、体の中では常に炎症が続いているような状態。
これが、だるさや筋肉痛、集中力の低下などを引き起こします。
じゃあ、どうすればいいの?
「休んでもよくならない疲れ」には、“体のシステムを整える”工夫が必要です。
①頑張りすぎない「エネルギー配分」
慢性疲労症候群では、軽い活動のあとに数日間疲れがぶり返す「PEM(Post-Exertional Malaise)」が特徴。
これは、活動に対する回復機構が壊れている状態。
✅ 実践法
- 1日の体力の60〜70%程度で生活する意識を持つ(“エネルギー封筒”と呼ばれています)
- 例:元気な日のうち80点の活動量にとどめる(100点出すと数日寝込む)
- スケジュールには「何もしない時間」も明確に入れておく
- 「調子が良いから無理する」は最もNG!
②深呼吸で“自律神経”をゆるめる
慢性疲労の多くは、交感神経(緊張)>副交感神経(回復) の状態。
交感神経が優位すぎると、内臓の回復・免疫・睡眠などがうまく働きません。
✅ 実践法
- 腹式呼吸:4秒吸って→6〜8秒かけて吐く を1日5分×2回
- お腹の下(丹田)を意識すると、副交感神経が刺激されやすい
- 寝る前や、気持ちがざわざわしたときに特におすすめ
- 壁に足を上げて横になる「脚上げポーズ」は、静脈の流れ改善+神経系の鎮静にも効果的
③血の巡りを良くする習慣
慢性疲労の方は、末端の血流が悪くなりやすく、筋肉や脳に酸素が届きづらい。
これが、筋力の低下・思考力低下・“だるさ”の原因になるとされています。
✅ 実践法
- 長時間の立位・座位は避け、1時間に1回は軽く動く
- ふくらはぎポンプ運動(かかとの上げ下げ)やその場足踏みが効果的
- 足裏のマッサージ、手のひらのツボ押し、首まわりの温めも◎
- 冷え性がある人は、手足の温感チェックを習慣に!
④栄養を見直す(エネルギーを作る材料を補う)
慢性疲労では、ミトコンドリア(エネルギー工場)がうまく働いていないケースが多い。
材料や補酵素が足りなければ、ATP(エネルギー)が作れません。
✅ 実践法
- ビタミンB群(特にB1・B2・B6):代謝の基本
- マグネシウム・鉄分・亜鉛:酸素運搬・神経の安定に関与
- タンパク質・良質な脂質:神経伝達やホルモンの材料にもなる
- 注意すべきは「カフェインと糖質の一時的な元気さ」=回復ではなく“興奮”
- コエンザイムQ10やL-カルニチンのサプリも検討価値あり(医師と相談)
⑤「疲れてから」ではなく「疲れないように」休む
慢性疲労では、「疲れを感じた時」にはすでにオーバーしている。
回復に時間がかかる体には、「予防的な休憩」が必要です。
✅ 実践法
- 活動と休憩のセットを決めておく(例:45分作業 → 15分横になる)
- 目安は「集中力が切れる前に休む」こと
- タイマーやアラームで時間管理し、「自分のペース配分」を学ぶ
- 短時間の昼寝(15〜20分)を毎日固定して行うのも効果的
補足:改善には“波”があります
慢性疲労は、「回復」と「悪化」の波があるのが普通です。
焦らず、自分のエネルギー感覚に敏感になることが第一歩。
「やる気」ではなく「回復力」を軸に生き方を調整していくことが、長期的には一番の近道です。
参考文献
- 「Chronic Fatigue Syndrome: Mechanisms and Evaluation」(PMC8438707)
- 「Pathophysiology of Skeletal Muscle in Chronic Fatigue」(Wirth et al., 2021)
- 「Self-management strategies in ME/CFS」(Frontiers in Psychology, 2022)
コメント